センター長

 子供に靴を履かせ、一緒に行く義姉を迎えに行こうと玄関を開けた瞬間に鳴る携帯電話。この時間にかかってくる電話はろくなことがないが、案の定相手は某センター長。
また貴方ですか、センター長。


 このセンター長、家族の中ではすこぶる評判が悪い。
 やっとのことで寝かしつけた子供を電話のベルでおこされたり。
 旅先にトラブル電話をかけてきて、一泊旅行のところを無理やり日帰りで呼び戻されたり。
 夜中の電話も多く、また、いざ出かけよう、というところでかかってくる電話は日常茶飯事。


 決して彼が悪いのではなく、彼は忠実に業務をこなしているのであり、彼に罪はないどころか、むしろ感謝すべき働きようであることは重々承知しているのだが、とにかく電話のタイミングは最悪。それ以外は客先の受けもよくって、いや、まぁ、Webページにメッセージ入れるくらい、代わりにやってよ、とか、いちいちそんなこと電話確認しなくても判断できるじゃん、とか、そんなことは決して申しません。感謝しております、センター長。