5日目 知床
8時ころには宿を出発し、8時半頃に摩周湖に到着。いつの間にか、摩周湖の駐車場は有料となっていた。420円。時間が早いからか、標高が高いのか、摩周湖展望台はずいぶんと寒かった。
「霧の摩周」の二つ名があるらしいが、一度も霧に包まれていたことがない。訪れる季節が悪いのだろうか。
摩周湖近辺を適当に観光し、本日の主目的、知床へと向かう。
知床八景のひとつ、オシンコシンの滝。
オシンコシンの滝を出て、新しくできた道の駅「うとろ・シリエトク」に立ち寄る。2007年4月にできたばかりの駅で、敷地内でまだ工事が進んでいる。
メインの大きな建物「センターハウス」には、受付のおねえちゃんが配置された観光案内カウンターがあり、何を案内してくれるのかな?とのぞいてみれば、どうやら遊覧船の切符もここで買えたりするらしい。これは渡りに船とばかりに、大型遊覧船の切符をお願いしてみる。
しかし、残念ながら、次回、12時半出港の大型遊覧船は満席だった。次の便は14時半。現在11時ちょっと前、12時半なら昼飯を頂いて丁度いい頃かと思ったが、14時半では時間が空きすぎる。どうしようかと案内カウンターを見てみると、遊覧船はいろいろたくさんとあるらしく、パンフレットがたくさん置かれている。たくさんありすぎてよくわからないので、おねえちゃんに適当にチョイスをお願いしてみると、12時半出港の船で、ちょっと通常よりも遠くまで行く船がある、とのこと。それをお願いしてみると、無事、切符を取ることができた。
大型遊覧船の1時間コースなら3000円かからないが、買ったコースは一人5000円で1時間40分のコース。まぁ、折角だし。いんじゃない?という判断は大当たりであった。
乗り込んだ船は、遊覧船というには小さすぎる、10人乗り程度のモーターボート。今日は海もちょっと荒れていて、とっても揺れますよ、との言葉通り、航行するのではなく海面をぴょんぴょん跳ねるように進んでいく。船酔いが心配だったが、むしろ酔うようなゆれではなくって、遊園地のアトラクションに近く、息子もげらげら大笑いで非常に喜んでいる。
しかも、途中、要所の観光ポイントでは船を停止させ、岸から数メートルの位置まで移動し、或いはUターンなど、およそ大型船では考えられない動きをしてくれる。小型船はとても楽しい。迫りくる岩壁、停船させて覗き込む青い海など、本当に小型船でよかった。
カムイワッカの滝にはおよそ40分ほどで到着。
大型船や、この小型船でも「カムイワッカコース」ではここで引き返すのだが、今回のコースではこの先しばらく進んでいく。目的は「ヒグマ探し」のようだ。
カムイワッカの滝をすぎてもいろいろなポイントがある。知床唯一の砂浜や、まるで民家のようなサケマスふ化場など。ふ化場で作業する作業員は、よくヒグマを見かけることがあるそうだが、今まで襲われたというような事故は皆無であるらしい。人もクマもちゃんと距離感を持って接している、といった船長の解説を聞きながら船を進めていくと、「あのへんにいますね」と停船。暗礁があって岸に近づけないらしく、目をこらさなければ見えないが、たしかに動くものが。
5倍ズームでは認識困難、デジタルズームまで駆使してやっと撮影。
その後、クマは海に飛び込んで「クマかき」まで披露してくれた。サービス精神が旺盛なクマだ。
遊覧船を降りて2時過ぎ。まだ時間はあるな、と、知床峠を越える。
峠を超えた先の道の駅、羅臼で午後3時位。
ふらのの友人から、いいキャンプ場があるよ、とメールが入る。コテージが手頃な価格で遊具もあり、SLまで走っている、「丸瀬布森林公園いこいの森オートキャンプ場」なかなか素敵な場所!だが、羅臼からはちょっと遠い。とりあえず、網走方面に向かことにして、今来た道を戻るのも嫌なので国道244号方面に向かう。
網走についたのは17時半頃。雨もぱらついてきた。この時間から丸瀬布に向かうのは、無理ではないが、そのあとキャンプ場はきつい。雨も降ってるし、今日も宿を取ろう、と、網走の観光案内所から集めてきた宿のパンフ、そして出発前に友人に教えてもらった網走の宿一覧を見ながら空き状況と値段を問い合わせる。しかし、困ったことにかけるところどこも満室。よさそうな宿の前まで行き、車の停車状況や客室の明かり具合を確かめてから空き状況の電話をしても「満室です」のつれないお言葉。きっと飛び込みは受け付けない宿で、飛び込み客には「満室です」と答えるマニュアルなんだろうな。
宿を探してうろうろと、網走湖の横を走ると前方にいくつか高そうな旅館の明かりが見える。この際、予算は関係ない、と、片っぱしからあたってみるがすべて満室。観光バスやらたくさんの自家用車やら、このあたりは本当に満室っぽい。
いくつか旅館・ホテルをあたり、やっとあいている宿を発見。大人一人朝食付きで8500円、5歳児は1050円。だいぶ予算オーバーではあるが、本日の宿はなんとか確保することができた。お部屋は窓側にイスを配置した板張りの間、8畳+の和室、同じくらいの広さの洋室にセミダブルベッドが2つ、バス、トイレ分離ので完備、広い通路、そして大浴場は流し場が20以上、大風呂3つと露天風呂、サウナ、と、非常に大きなお風呂で貧乏人のわれわれには身分不相応の宿だった。この設備であれば一人8500円は安い。・・かもしれない。