4万4千

 久しぶりに病院で採血、検査。結果は4万4千。健常値ではないが、ゆっくりと、上昇している。ように見える。だといいな。で、あって欲しい。


 診察が終わったのは12時半。息子に何を食べたい?ときくと、予想通り「らーめん!」だったので、駐車場に車を置いたまま商店街へ。駅から一番近いラーメン屋と2番目に近いラーメン屋は満席。さすがに昼時。待っていても息子がぐずりそうなので、商店街を駅から遠ざかる方面へぶらぶらと、ラーメン屋探しの散歩。たどり着いたのは京風ラーメン屋。タイムサービスで普段500円の京風ラーメンが350円ということで決まり。ラーメンも京風いなり寿司もおいしかった。


 ラーメンの後はゲームセンターでメダルゲーム。メダルを2000円分借りて、「銀河鉄道999」という結構古いゲームで遊ぶ。このゲームは息子が結構気に入っている。30分くらいメダルをつぎ込んでいると、確変突入。メダルがちょっとづつ戻り始める。しかし、どうもメダルリチャージの様子がおかしい。ぱら・ぱら・と、数秒に1枚づつ補充されている。ずいぶんのんびりだな、と思っていたらエラー点灯。そして店員コール。


 復帰後も、エラー・店員・復帰を何度も繰り返し、とうとう店員は別の店員も呼んで機械の分解を始める。おいおい。客になんの説明もなく突然分解メンテナンスですか。確変中なんですが。「すぐにはなおらないですよね?」と問えば「そうですねえ・・・」とのお返事。ああそうですか。でもまぁお仕事だし仕方ないかなぁ・・と30分くらい分解メンテナンスを見ているも、だんだん飽きてきた。息子は喜んで見ていたが。


 直らないなら直らないで、何か言って来てくれればいいんだけど。じっと、自分が遊んでいたサイトに溜まっている、払い出し保留中のメダルをみていると、店員の一人が気がついて、保留メダルを拾い出してカップに入れて手渡してきた。いや、アタリの払い出し前でしかも確変中なんだけど、と、ちょっと渋ってみると、それなりのメダルを渡してくれた。早いところ言っておけばよかったよ。っていうか、こちらから言わせないでほしかったなぁ。将来客商売をやるようになった時の教訓として今日の件は覚えておこう。


 その後、夕方までぶらぶらと商店街で遊び、暗くなる頃に建築会社のショールームに。リフォームフェアなどを開催しているので、中古住宅を買った場合の参考として、いろいろ聞いてみる。いろいろ聞いたからか、お土産もくれた。息子には風船。「手を離さないで、しっかり持っててね」といわれる息子。しかし、その30秒後には呆然と空を見上げている。「風船、取って」といわれて上を見れば、上空10メートル付近をさらに上に向かって上昇し続ける青い風船。さすがにそれは取れません。


 そしてしばらくして、自分がどうやら永遠に青い風船を失ったことに気づいた息子は突然「ふうせん!!」と泣き叫びはじめる。「風船とって取って!」となく。叫ぶ。「手を離しちゃいけないよ、って言われたのに手を離しちゃったんでしょ!もう取れないわよ!」と怒り返す母ちゃん。母と息子のプチ修羅場。すると息子はもときた道をダッシュで戻り始める。とめる父を振りほどき、建築会社のおじさんに抱きすがり、「ふうせんーふうせんー」と涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにして訴えかける。ああ、おじさんの作業着を汚さなければいいが。


 泣く子と動物にはさすがに勝てないおじさん。息子はまんまと2個目の風船をせしめることに成功。今度はさすがに自分で持ってて飛ばしてしまうことを恐れたのか、素直に母ちゃんに風船を預ける。新しいオレンジ色の風船は無事家までたどり着くことができた。


 その夜、夜中突然むっくりと起きて、「ふうせん、とんでない?」と寝ぼけながら言う息子。どうやら夢に見るほどショックだったらしい。