葬儀

 葬儀は教会式。


 祖父が参加していた信仰の集まりは、「集まりの各自が出来ることをする」とか、「寄付金を集めない」といったとても好感の持てる活動を行っている。葬儀もそういった流れを汲む、集まりの人たちがそれぞれできることを提供する、というやりかたで、ピアノ演奏もヴァイオリン演奏も、集まりのメンバーが故人を偲んで自発的に、というかたち。祭壇のランクで+何十万円、とか、そういう世界じゃない。祖父も長い間無宗教だったけど、晩年になっていい集まりにめぐり合えて幸せだったと思う。


 賛美歌、献花など、一通り流れて行き、お棺を運びだす。最年長の孫である私と、今年高校に入学の最年少との孫とで出棺のお手伝い。


 唯一のひ孫たる私の息子は葬儀の意味を解しているだろうか。「おじいちゃんにばいばいなさい」というと、お棺にむかって「ばいばい」と手を振る。