聖なる夜に

 息子のスキーウェアを求めてスポーツ用品店へ。ついでに妻のウェアも購入。靴も買って気がつきゃ結構な出費。クリスマスプレゼントだ。明日こそ佐久に行くぞ。


 買い物帰り、道路際各地のケンタッキーで渋滞が起きてる。並んでまで食うものなのか?明日あさって食べても味は変わらんだろう、いや、むしろあさっての方がおいしいよ、多分。きっとお父さんが、「家族のために」って、並んでるんだろうけど、いまどき子供たちもカーネルバスケットにそんなに喜びを感じていないと思うよ。みんな正直になろうよ。
 そんな思いは、私の偏見だろうか。


思えば子供のころからクリスマスは嫌いだった。


 母と、弟と、自分の三人家族。クリスマスだろうが遅くまで仕事で帰らない母が、明るいうちに買っておいてくれたカーネルバスケット。冷たいチキン。ぱさぱさの肉。乾いたバターロールコールスローだけはおいしかった。クリスマスプレゼントのラジコンカー、サバンナRX-7。サバンナって、なんだったんだろう。


 さて、ソリも買ったし、長靴も準備万端。夕食は何にしようか?と妻に相談。何でもいいよ。なら回転寿司でも。


 いつもは行列ができていて、30分、40分待ちは当たり前の超人気回転寿司屋、今日ばかりは待たずに入れた。アルバイトの子達の雑談が聞こえる。「みんなケンタッキーでも食べてるのかしら」驚くほどの混まなさに少々戸惑い気味。混みすぎていないおかげで、ネタの解凍具合も程よく、最近よく遭遇していたナマグサなネタもない。解凍具合はともかく、ナマグサネタがないことと空いていることの因果関係は不明だが、ともかく、満足して店を出ることができた。今ぐらいの来客具合が、適正な客数なんだろう。


 多くの人がケンタッキーに行ってくれたおかげで、ちょっとだけ、「聖なる夜」の評価が上がった。