よるのおさんぽ

 冷凍の飲茶セットを蒸して夕食にする予定だったが、「じゃ、ごはんにしようか」と声をかけた息子が靴を履いて外に出ようとしたために急遽ソトメシになってしまった。土日といえばソトメシ、と、刷り込まれてしまっているようで、ちょっと問題かもしれない。


 さて、外に出たはいいが何にしようか、何処がいいか、何も決まっていない。ならば、ソトメシがいい、と、言った息子に選ばせよう、と、思い立つ。
 どこに行く?好きなほうにいっていいよ、と息子に行きたい方向を聞くと、ちょっと迷ってからあっち、と指さしてどんどん進んでいく。そうして行き着いた先は「ふくしん」。ラーメン、チャーハン、レバニラ炒め、がメニューに並ぶ、良くある町の中華店だった。


 食後に店を出た後も、店に入る前の続きか、あっち、と、家とは別の方向を指し示す息子。まぁ、まだそんなに遅くもないし、散歩もたまにはいいかな。と、どんどん息子が行きたがる方向に行ってみることにする。


 交差点ごとに方向を指し示す息子。とうとう沿線私鉄1駅分を制覇。隣駅に着いたあとも戻ろうとする気配はなく、どんどん進んでいく。まっすぐ進んでいくだけではなく、時々「あっち」と、曲がる方向を指し示して進んでいく。


 どこまで行くんだろう、と、ちょっと心配になってきたが、1駅半ほどしてやっと方向が家の方を向いてきた。どんな基準で曲がり道を曲がってきたのか皆目検討も着かないが、彼には彼なりの基準があったのだろう。


 結局、夜の散歩は一時間以上、恐らく4キロ以上は歩いたんじゃないだろうか。三歳児には結構な距離だとは思う。よく歩いたものだ。