五泊目 神戸

 今回の旅は天候に恵まれない。
 
 
 昨晩、天の川に白鳥が泳ぐ満天の星空の下、夜風が気持ちいい暖かな夜に、テントの外に置いたリクライニングベッドで星空を見ながらそのまま寝てしまおう、なんて思っていたは見通しが甘かったらしく、夜半過ぎに激しい雨と荒れ狂う強風でテントの外は暴風雨の様相、外で寝てなくってよかった。

 しかしこの暴風雨も、日が昇る頃にはすっかり晴れ上がり、今回も悪天候下での撤収は避けられた。夜中の雨と風は嘘のよう、むしろ強烈な日差しと無風状態、さらには夜の降雨でぬれた芝生のおかげで朝から恐ろしく蒸し暑い。


 さて、旅程も5日目、折り返し地点は過ぎてしまったが、現在地は紀伊半島の先端。四国にも是非とも上陸したいので、今日は気合を入れて移動することとする。明日の四国上陸を目的とし、本日の目標地点は神戸。


 旅行出発前のぼんやりとした予定でキャンプ地候補であった南紀白浜は、ほとんど通過地点と化す。この南紀白浜、真っ白な砂浜で有名な大変人気の高いリゾート地。東京から直通の飛行機が発着する南紀白浜空港まであるのが驚きのこの地、我々的にはさみしくなったお財布を満たすキャッシュディスペンサーがあったという価値しかなかった場所であった。しかし、眺望良く、またオートキャンプ場もあったので、またこんどゆっくりと訪れたいとは思う。


 南紀白浜を後にし、阪和自動車道を使って北進する。なるべくなら高速道路を使わずに海岸線を走りたいところだが、日程が押してきたので仕方ない。和歌山県の県庁所在地、和歌山も高速道路上から見送り、神戸を目指す。


 和歌山を過ぎた頃、ここから〜市、という表示板に埴輪と前方後円墳の絵が。
 どうやら今通過中の場所は古墳の名所らしい。
 ならば、と、カーナビの自車周辺検索で、観光ポイントを探ると、仁徳天皇稜ほか、いくつか古墳が出てくる。前方後円墳は前から一度見てみたい、と思っていたので、目的地ポイントを世界最大のお墓、仁徳天皇稜に設定して高速を降りる。


 さて、高速を降りて目的地に向かうはいいが、ナビの目的地ポイントは広大な仁徳天皇稜の中央に設定されているのでいまいち案内コースが安定しない。仁徳天皇稜をぐるり取り巻く道路はラブホテル街だったりとか、意外な一面を発見しつつもなかなか観光客向けの入り口が見つからず、結局「観光客は相手にしてないのだ」と結論付けてあきらめる。あきらめた後に通った道に何か入り口らしき、博物館らしきものの前を通りかかったが、自分の中での仁徳天皇稜観光は終わっていたので見送り。無駄な時間を費やしてしまった。


 本日の宿はローソンのLoppiで確保。候補地神戸で検索されたうち、一番安い宿をとる。ツインでルームチャージ8190円、裏通りのビジネスホテルか、そんなところだろう。

 
 がしかし、たどりついた宿は神戸ポートアイランド埋立地の中に聳え立つ、13階建ての大きなリゾート系ホテル。ランク的にはプリンスホテルクラス、S,A,B,C,D というランクであらわせば十分Aランクのホテルだった。添い寝の幼児を見たホテルフロントのご好意ですこし大きめベッドの部屋に案内してもらい、大変快適な夜を過ごせた。ありがとうフロントのお兄さん、神戸に立ち寄った際にはまた利用させていただきます。


 しかし、Loppi、侮れない。
 定価でとまればツイン最低18000円から、高い部屋は4万近くするホテルに半額以下の8000円でとまれてしまう。


本日の主な出費

飯:3000円
宿:8190円