門番

 2歳8ヶ月になる息子は、扉の開け閉めが大好き。
 玄関にチェーンをかけなければ、扉を勝手に開けて、誰もいない外に向かって、「らりらりら?、うん、うん」とか、謎の宇宙語を語りかけている。宅配便屋なんかへの対応を真似してるんだろうか。


 扉の開け閉めは、玄関だけではない。
 ベランダのガラス引き戸もチャンスを見つけては開け放とうとする。ベランダ扉の鍵の開け閉めは習得してしまったので、標準の鍵は閉めてあっても無駄。扉の一番上、子供の手の届かないところにチャイルドキーを設置してしのいでいる。


 ベランダの扉は、開けるだけじゃなく、閉めるのも大好き。
 うちは古いマンション故、洗濯機置き場がベランダにあるので、洗濯をしようとすれば必然的にベランダの扉を開けざるを得ない。当然チャイルドロックも解除することになるのだが、息子はそんな鍵解除を見逃さない。


 洗濯をするために、妻がベランダに出れば、息子は「必ず」扉を閉めるのだ。
 そして、「必ず」鍵をかけてしまう。当然、内側から鍵をかけられた妻は部屋に入れなくなる。息子はそんな妻を部屋の中からげらげら笑っている・・・困った奴だ。


 さすがに最近は、「あけて」と言えばあけてくれるらしいが、息子が鍵の開け閉めを覚えたての1歳末期には、閉めるだけ閉めて自分は昼寝してしまった、ということもあったようだ。締め出された妻はその後数時間、寒い雨の降る中で何もできず、かぜをひいてしまった。結局、昼寝から起きた息子にベランダから何とか指示を出し、中に入れてもらった、ということだそうだが。