バス

 今日は息子の「個別指導」のため、バスに乗ってお出かけ。妻がバスを2本乗り継いで連れて行くのだが、途中まで、1本目のバスまでは一緒に付き添う。2本目には乗らず、自分は会社へ。


 うちの息子は、とにかくどんなスイッチアクションでも、自分でやらなければ気がすまない。そういった「こだわり」もひとつの障害なんだろうし、できるだけやらせてあげよう、とは思っている。しかし、バス乗車の際のバスカード挿入の場合、電車の改札と違って入り口はひとつしかないので、後ろにはたくさんの人が待ち、またバスも発車予定時刻ってものがある。そんな状態でもたもたしていてはみんなに迷惑なので「バスはだめ!」と、やらせないようにしている。


 しかしそんなことが息子にはつらいらしい。前回のバスでは、バスに乗車してからも、自分でバスカードを入れられなかったことを悲しみ、かなりの時間大きな声で泣き続けてしまった。しかしその後、十分に言い聞かせたおかげか、今日のバスでは素直に乗車、自分でバスカードを入れなかったことを悲しむ様子はなかった。


 と、思っていたのだが、乗車後の息子の様子がおかしい。妙に静かである。どうしたの?と顔を覗き込もうとすると目をそらす。具合でも悪いのか?と思っていると嗚咽が聞こえ始めた。どうやら、乗車してからずっと、自分でバスカードを入れられなかった悲しみを必死でこらえていたらしい。それがこらえ切れなくなってついにないてしまったのだ。


 必死に涙をこらえ、「○○(息子の名前)いいこ。」と言う息子の姿は確実な精神的成長が見てとれる。えらいね、よく我慢したね。両親そろって、大いにほめてあげることにした。