おっぱい聖人

 妻の主治医はきっとおっぱい星人だ。いや、すごくいい意味でのおっぱい星人なのでおっぱい聖人とする。今決めた。


 この乳腺外科の先生は、なるべくおっぱいを守ろうとする。可能ならば、出来る限り全摘を避け、また、元の形をなるべく保とうとしてくれる。200グラムぐらい摘出した今回のケースでも、大抵の執刀医は、「病巣は摘出完了した」と、きりっぱなしが多い、らしい。だが、この先生は、あれやこれや、ここからこうして、と、切った部分がくぼまないように整形もしてくれた。


 全摘しちゃった、70歳ちかいお嬢さん(byみのもんた)にも、きれいに再建しましょう、と薦めてくれるらしい。このお嬢さんの場合は、温存手術が可能だったのだけれども、お嬢さんの、こんな歳だから、、全摘しちゃってください、との希望によって、泣く泣く全摘した、という経緯があったらしい。そのためか、お嬢さんと会うたびに、再建を薦められているのだそうだ。


 もうこんな歳なのにねえ、と、笑いながら話してくれるお嬢さんは、この先生に全幅の信頼を寄せている。そういうまるで神様のように慕っている患者さんを持っているいい先生にめぐり合えたのは、とても幸運なことだと思う。