ザ・ダイヤモンドホースシュー

 千葉鼠園のアトラクションの一つ、全席指定席、完全予約制のショーレストラン。常に予約がいっぱいでなかなか行けない。今回、付属ホテルの宿泊特典、「6ヶ月前から予約可能」を生かして予約をとることができた。


 兎にも角にも、「千葉鼠園」のようなお祭り施設に訪れた際には、どのようなシチュエーションにあろうとも、「楽しむ義務がある」

 当然、壇上の擬人化された犬が旗を振ればみんなと一緒に旗を振るべきだし、手を振っていれば矢張り楽しそうに手を振り返さねばならない。それが、千葉鼠園というおとぎの国に訪れた「ゲスト」の義務だ。


 ところでこのダイヤモンドホースシューレビュー、なかなか構成がうまい。犬や鼠の出てる子供向けショー、というだけではない。たとえば、白衣のみを着用した女性コックが出てきて激しくダンス、計算されたパンチラ(正確にはアンダースコートチラ)なんかも演出されており、仕方なく(?)つれてこられたオトーサンたちも楽しめる内容になっている。
 もし見られるチャンスがあるのならば、是非とも見ておくショーだろう。
 
 料理配膳のタイミングも、ショーと絡めて計算されている。
「今日のデザートを作ったシェフを呼んでみましょう」と、呼ばれて出てきた鼠が「ボクが作った特性デザートを楽しんでね!ハハッ!」と言ったとたんにキッチンの扉から配膳係が一斉に出てきてサービス。タイミングがうまい。

 そして、観客を巻き込む悪夢も見事演出されている。

 このショーの最後の華は女性ダンサー3人による「フレンチカンカン」なのだが、ダンサーたちは壇上でのダンスに区切りをつけると、客席に降りてきて客席のオトーサン方に流し目を配るという演出が組み込まれている。
そして、3人のダンサーは、それぞれがめぼしいオトーサンに目をつけると、「さあ一緒に踊りましょう」とオトーサンを立たせ、あらかじめ用意していたベビーキャップ(帽子)をかぶせ、ガラガラを持たせて躍らせる、という、恐ろしい演出が始まるのだ。


 冒頭でも述べたとおり、我々には「楽しむ義務がある」のだ。


 たとえ、ひげ面の自分が、子供と、妻と、義母と、義姉の目の前で、フリフリのベビー帽をかぶり、ガラガラを持たされ、むすんでひらいて、を歌わされ、踊らされ、くるくる回されようとも、だ。

 顔面温度の上昇に伴う、所謂「顔から火が出る」という状況を体験できたのは収穫であったのかもしれない。