ひみつきち

この最近になっての「キャンプごっこ」は、子供の頃にやっていた「秘密基地遊び」が源流ではないかと時々思う。

子供の頃、多摩川の河原、特に橋の下の目立たない場所なんかに、「秘密基地」をつくるのがはやっていた。「秘密基地」は、中にはいって何するでもなく、そこにいるだけでなんとなくわくわく感に包まれていた。

秘密基地は、商店から分けてもらったり、勝手に「拾って」きたダンボールや、時には材木屋から「拾った」ベニヤ板なんかで構成されていた。そういう部材をガムテープや紐で縛って、いろいろ工夫して畳2畳くらいの閉鎖空間をつくっていた。

そうやって苦労して作った秘密基地に泊り込んで夜を明かすなんてことはできなかった。子供だから。というか、夜になって家に帰らない、という選択肢は考えもよらなかった。おなかもすいてくるし。

翌日、秘密基地にはいろんなことがおこる。
跡形も無くなくなってる。上級生とかに占拠されてる。崩れてゴミの山になってる。
もちろんたまにはそのまま残ってたりもした。翌日行ってみたら、知らないおじさんが寝てた、って話は今になってたまに聞くけど、当時は家無しの方々も近所にはいなくて、そういうことは無かったと思う。

その秘密基地遊びは、大人になるに従って段々なんだか恥ずかしくなってくる。でもほんとはつくりたいんだ、秘密基地。
そんな気持ちが、私をテント設営へと向かわせる。
絶対そうだ。そうに違いない。