上野動物園

 ここを訪れるのは一体何年ぶりだろう。


 最後に訪れた記憶をたどってみると、余裕で四半世紀はたっている。んじゃ無いだろうか。ラ○ラ○、カ○カ○というつがいの熊猫で押すな押されるなの大盛況だったころだ。当時イタイケな小学生だった私は、暗いトンネルの中で人しか見えなかったような気がする。

 その記憶が自分自身のものなのかも怪しいのだが、そうした自分の中の記憶が物語となるような時間を経ても、時代の流れにあわせて進化しました!という気配は微塵にも感じられないその場所に、まさか自分の息子を連れて来る日がこようとは夢にも思わなかった。

 まったくもって、いつの時代になっても変わらない場所というのは安心感があって素敵だ。また来よう、と、思っているうちにつぶれてしまうテーマパークとは大違い。いつ何時、世代を超えて訪れても、そこには変わらない姿で存続し続ける場所がある。

 とはいいつつも、変化がゼロではないところがまたうれしい。前回訪れたときの記憶がほとんど無いのでどこが変わった、と、いうのもわからないのだが、例えば、「このモノレールの車両は平成○○年に宝くじ基金から寄贈されました」なんて表示を見れば、確実に車両が新しくなっていることは分かる。

 そんな素敵に新しいモノレール、乗り物好きの息子はいたく気に入ったようだ。歩いたほうが早いような距離を大層並んで乗るような、移動手段的にはまるで価値の無い乗り物だが、動物園・遊園地的アトラクションとしては楽しい?のかもしれない。かといって復路に再び並んで乗るようなものではないのだが。