花火大会

 妻の通院日。


 最近、なんだか妻と御同病のご婦人が多いらしく、病院の乳腺外科は大繁盛。10時に診察予約を入れて10時前に受付を済ませても、診察を受けられるのは11時。やれ薬だ、やれ会計だとやってる間に気がつけば時計の針は午後を指してしまうのは日常茶飯事。そうして家に帰ればもう1時過ぎだ。

 
 なので、今日もきっとどこにもいけず、半日息子と二人で過ごして残りの半日を家で仕事をしながらすごすのかなぁ、と思っていた。でも、もしかしたら早く行けば早く診察終わるのかな?と、予約10時のところを9時ちょいすぎに受付を済ませてみたら、なんと9時半くらいに診察を受けることができたらしい。家に戻ってきたのは10時過ぎくらい、こうなると、せっかくの休日、どこかに出かけなければ勿体無い気がしてくる。


 とりあえずは、前から行こうと思っていた、シズラーに出かけることにした。私も妻も、にくは羊に限る、羊以外のにくはいらない、というくらいの羊喰いなのだが、北海道以外の日本ではあまりメジャーではない羊のにくを食べさせてくれる店は数少ない。最近、カルチニンがどうとか、ダイエットミートだかなんだの、ちょっとした羊ブームのおかげでジンギスカン屋が増えてきてはいるが、どうにもカウンターだけの店が多くて、子連れの身には入りにくい店ばかり。


 そんな嘆きの羊喰いが最近、どうやらサラダバーで有名なロイヤルホスト系バイキングレストラン「シズラー」が、羊のグリルを出しているということに気づいた。これは行かねばなるまい、と、気づいたそのときからずっと思い続けて、今日に至った訳である。そもそもファミレスなんだから、子連れで行くのにも躊躇はないし。
 

 そうしてとうとう、シズラーで念願のラムチョップのグリルを堪能。以前シズラーでステーキを食べたときは「こんなぱさぱさのにくが食えるか!」と、ちゃぶ台返しモノだったのだが、今回饗された羊のグリルは焼き加減も申し分なく、やわらかくてうまい。店舗の違いか、企業努力が実を結んだのか、そもそも羊はどんな料理方法でもうまいからなのかは知らないが、とにかくうまかった。息子も好物のばにゃにゃをたらふく食って大層満足したっぽい。羊のグリルとサラダバーで一人約2000円、と、ファミレスのランチにしては安くはないが、値段以上の満足は得られた。また機会を見てこよう。


 さて、食事が済めば2時過ぎ。どうするかねぇ、そういえば、今日花火大会があったよね。7月の末は入院してて花火大会いけなかったから、行って見ようか。ということになった。


 花火大会会場には、開始の2時間くらい前に到着。駐車場の確保に若干苦労はしたものの、開始1時間くらい前には準備万端で後は打ち上げを待つのみ、という状態。まだかなあと、待っていると、なんだか空模様に陰りが。携帯で天気予報をチェックすると、50%の降雨確立。


 うーん、困ったねぇ、と思っていると、さらに雲は厚くなり、ゴロゴロと雷が聞こえてきた。と、思ったら降り出す雨。雨粒はだんだん大きくなり量も増えて、「どしゃぶり」という状態になってきた。かさもないので仕方なくグランドシートを頭からかぶってしのぐ。


 そんな空模様でも、今回の大会は「雨天決行」だったりする。多少小降りにはなったものの、傘なしでは風邪を引きそうな降雨の中、淡々と打ち上げは進行する。さすが「花火競技会」という感じ。しかし、大玉の打ちあがりは雨雲の上にかかってしまっているようで、どうにも勿体無い。せっかくの大玉が。


 競技会だけあって、すばらしい花火が多いのだか、如何せん降りしきる雨の中、頭上に持ち上げたグランドシートの保持にも疲れてきたし、ズボンも靴もずぶ濡れ。さすがにつらくなってきたので、開始から30分くらいで切り上げることに。傘代わりのグランドシートをかぶったまま、徒歩5,6分の駐車場までぬれながらの行進。


 車について、着替えやら何やらで、気がつけばもうじき大会終了の時間。早めに車を出して渋滞の回避をしようという目論見は崩れてしまった。案の定、帰りの渋滞に巻き込まれる。


 途中、仮眠をとったり休んだりしながらではあったが、家にたどり着いたのは午前3時近くになってしまった。


 やっぱり、諏訪湖の花火大会は、ちょっと東京からは遠かった。