受話器を持つ手

 会社から駅まで歩く間、なんとなく歩きながらケータイで通話している男が目に付いた。普段見かけるなんてこと無い風景だが、ふと、ケータイを持つては右手?左手?という疑問がわきあがる。ならば、と、調査開始。


 調査といってもごく簡単なもので、会社から駅までの徒歩15分間の間に遭遇する、歩きながら、或いは立ち止まって「通話」している人たちを、右手通話か左手通話か、で数えていく、というもの。


 数えた結果は、左12の右6。サンプル数が多くないので断定は出来ないが、どうやら左手・左耳で通話している人が多いようだ。自分自身もケータイは左手。利き手の問題というわけではなさそうだ。


 何でかな、と、思ったが、左手で受話器を持ち、右手でメモを取る、というスタイルが一般的だから、ということに思い至る。また、一般的な内線電話は左側に受話器、右側にテンキーが配置され、左手で受話器を取って右手でダイアル(とは言わないか今は)するように設計されている。


 ケータイで電話をするときも、そのパターンが染み付いてるからなんだろう、左手で電話する人が多いのは。そういえば、右手通話をしているのは若い人が多かった気もする。右手通話の人は、一般的な内線電話はもちろん、地上電話をほとんど使ったことが無いのかもしれない。さらには、電話中にメモを取るなんてことも無い人たちなのだろう。と勝手に推測。


 ところで自分は左利きなのだが、受話器は左手で取る。内線電話器はやっぱり左手で受話器を取るように出来ているから。メモを取るときは?右手で書いたり。受話器持ち替えたり。あとは右手だけでキーボードを打ってメモったりってのもあり。

 右手の書いた文字は汚いが、判別不可能ではない。どちらかと言えば、両利き?という気もしてきた。